植栽管理サービス-マンション・団地の植栽管理のことなら【クリエイティブグリーン】

事例紹介 クリエイティブグリーンをご利用いただいたお客様の事例を紹介します。

事例紹介クリエイティブグリーンをご利用いただいたお客様の事例を紹介します。

トップページ>事例紹介トップ>30年後も誇れる桜並木を 「住民参加の工夫」で合意形成をスムーズに

30年後も誇れる桜並木を 「住民参加の工夫」で合意形成をスムーズに

団地のシンボルである桜並木を永く守り続けていくための樹木診断、住民活動による元気度チェックを行っている事例です。

 

 

東京都東久留米市の団地には、外部からも花見客が訪れる桜並木がある。築42年を迎えた2011年から桜並木の保全に着手し、柵のリニューアル、樹木診断により倒木の危険があった5本(内一本は並木外)のサクラ伐採を実施した。さらに、「この桜並木をあと30年誇れるものにしたい」という思いで「滝山グリーンサポーターズクラブ」を立ち上げ、毎年の「花数調査」により毎年桜の元気度チェックを行っている。今後も毎年、自主活動として参加者を募りサクラの健康状態をチェックし、樹木医と連携を取りながら桜並木を守り育てていく計画だ。しかし、桜の伐採にあたっては住民の思い入れが深いからこそ、合意形成の難しさもあった。伐採判断を含めうまく進められてきた経緯を追った。

 

 

←桜の花数調査を行う理事と樹木医。花芽の数を数えることで、簡易な元気度チェックが行える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜並木リニューアル工事に伴う樹木の課題発見

 

桜並木の古い柵の改修工事に伴い、サクラの根を一部切る必要があった。そのため、樹木医による目視点検のうえ、立会いのもとで根切り工事を実施した。この目視点検により、樹齢50年程度となる約70本のサクラの3~4割に、キノコの着生や表面に見える腐りなどの異常がみられた。

 

合意形成をスムーズにした公開樹木診断

 

目視点検で異常が見られた樹木については、さらに詳細な樹木診断が必要だ。内部が腐り空洞化している場合、倒木の危険性もあるためだ。樹木診断は、①外観診断②精密診断となる。外観診断は、目視と簡単な道具による調査である。精密診断は、「レジストグラフ」という専用機器で直径3㍉のキリを樹幹に挿入し、その際の抵抗力から内部の状態を把握する。しかし、これらの樹木診断を必要全数実施すると予算以上の費用がかかるため、総会で決議する必要があった。「樹木診断」という手法はまだ一般的にはあまり知られておらず、住民の理解と合意を得る工夫が必要だった。そのために行われたのが、サクラ2本に対する樹木診断を住民公開で行う「公開樹木診断」である。自由参加の住民と理事の立会いのもとに実施された公開樹木診断では、樹木医がその場で外観診断・精密診断を行い、木の健康状態について説明をした。参加者からも自由に質問が飛び交った。これにより、関心の高い住民と理事の双方で診断の必要性や実際の状況の理解ができた。専門家に任せるだけでなく、理事自らが診断結果をしっかりと理解し、住民への説明をされたことで、総会で樹木診断と改善処置実施の予算承認が得られた。

 

伐採基準を明確に

 

対象全数の樹木診断の結果、伐採が必要と判断されたものは5本あり、その他の樹木も処置や経過観察が必要なものがあった。中でも、伐採対象となる樹木については明確な理由が必要だ。今回は、精密診断により算出された内部の空洞率40%以上、かつ腐朽力の強い菌がついていたものを総合的に判断し伐採対象とした。伐採対象木の中には、住民の思い入れが特に強い、住棟前のサクラが一本含まれていた。

←写真は内部の空洞化が進み伐採したサクラ(内側の色が違う部分が腐ってやわらかい組織になっている)

 

 

理事会だよりと説明会による情報公開と対話

 

内部の空洞化が進み、伐採対象木となったサクラも、根から水と養分を吸い上げる組織が生きていれば外見では元気に見える。だからこそ、伐採の合意形成は難しい。そこで大きな役割を果たしたのが「理事会だより」や「説明会・話し合い」で事実を伝え、話し合うという理事会の働きかけであった。診断結果のデータと伐採基準を公開し、理事による説明会や話し合いを何度も行った結果、「住民の安全を優先する」という判断に納得してもらい伐採を行った。

 

「サクラへの感謝とお清めの会」を開催

伐採当日には、今まで一緒に育ち楽しませてくれたサクラへの感謝をこめて、住民参加でお清めが行われた。参加した住民や理事自ら、サクラの根元にお清めの塩・酒・米を撒き、今まで共に育ち、楽しませてくれたことに感謝した。中には歩くことが不自由な女性も「是非参加したい」と現地に訪れた。この女性は『夫はもう寝たきりだけど、私たち夫婦は窓から見えるこのサクラが生きがいで、毎年花を楽しみにしている。』『伐ってしまうのは残念だが、安全には代えられない』と話した。

 

 

 

建替えも視野に入れた未来へ向ける取組み

 

このように、住民感情に配慮した主体的な運営がお行われていることで、滝山団地の管理はスムーズに進んできた。今後は建替えも考慮に入れて、樹木管理にもメリハリをつけていく予定だ。桜並木は団地の名所として残していくが、その他にも沢山の樹木がある。山でも見られないほど立派に成長したもの、落雷で傷ついたもの、見栄えがよくないもの、新しく植えたものなど様々だ。今後はその中から「重点木」を選びだし、方針を立てて予算配分を実施していくという。団地創設以来44年の歴史を守り、さらに未来へ向けて建設的な取組みが進められている。